グローバル教育センター海外派遣教育部門

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2025年度に実施したFD

FDセミナー「国際教育のアセスメント―基礎と応用―」

開催日:2025年7月14日(水)  ポスター(PDF 117KB)

桃山学院大学国際センター講師の永井敦先生をお呼びし「国際教育のアセスメント―基礎と応用―」と題して、鶴甲第2キャンパス眺望館1階VルームでFDセミナーを実施しました。永井先生は国際教育、教育工学(インストラクショナルデザイン)、外国語教育、学習アセスメント及びプログラム評価などを専門とされ、日本評価学会認定評価士でもあります。

まず最初に、学修目標に基づいた評価項目を作ることが大切であること、この順序を逆転した運用が散見されることを学びました。次に神戸大学の国際教育は何を目指しているのか、どのような人材を養成したいのかを議論したのち、演習として異文化間能力を養成する際の学習目標とその評価方法を考えました。後半ではプログラム評価の目標、測定、方法についてさらに理解を深めました。また、心理テストBEVI-jを使って海外研修や留学によるどのような変化を測定したいのか、それが神戸大学が伸ばしたいと考える学生の能力なのかについて議論しました。さらに、留学や海外研修を推進することにより、参加者以外にどのような効果(アウトカム)をもたらすのか、それをきっかけに学内外でどのような事象(インパクト)が起こるのかについても考えを深めました。

会場にはグローバル教育センター海外派遣教育部門教員、国際人間科学部教員、国際交流課職員など10人が集まって活発な意見交換を行い、神戸大学全体で国際教育の推進を考えていこうという熱意を再確認する素晴らしい機会となりました。

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FDセミナー「ガザ戦争以降のキャンパスダイバーシティ」

開催日:2025年7月23日(水)  ポスター(PDF 255KB)

グローバル教育センター特命助教の岡部友樹氏が講師となり、「ガザ戦争以降のキャンパス・ダイバーシティ」と題するFDセミナーを開催しました。本セミナーでは、2023年10月7日に始まったパレスチナの「ガザ戦争」が欧米の大学における多様性や学問の自由に及ぼす影響について検討しました。

はじめに、キャンパス・ダイバーシティに関して、これまでに女性や人種・民族的少数派の参画をめぐる従来の課題がありましたが、ガザ戦争以降には欧米の大学を中心に「紛争をめぐる紛争」が顕在化しており、学術的に中立であるべき言葉が政治的立場を示す踏み絵として用いられる現状が指摘されました。次に、米国の大学を中心に広がったキャンパス内での抗議運動を事例として取り上げ、その時系列を確認した後、表現の自由と学内秩序の維持の間にある緊張関係が検討されました。

さらに、かつてアメリカのキャンパスにおいて声を上げたエドワード・サイードの議論を取り上げ、彼が示した「大学は権威に縛られず自由な知的探求を続ける場である」という理念や、最近の学生運動がその批判的知識人としての姿勢を受け継いでいる点が示されました。また、神戸大学の協定校における抗議運動の動向も紹介され、国際的な広がりを踏まえて本学としての対応を考える必要性について、FDセミナーの参加者とともに議論をしました。

当日の参加者からは「国際的な事例を通じて多面的に理解できた」「神戸大学としての指針を考える上で有意義だった」との声が寄せられました。本セミナーは、戦争や国際政治が教育環境に及ぼす影響を議論し、キャンパス・ダイバーシティ推進を再考する貴重な機会となりました。

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